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競輪の車券購入は20歳以上のみ可能です。
出走表に「3.92」「3.85」といった数字が並んでいることがあります。これがギア倍数です。
競輪の自転車は変速機がありません。その日に使うギアを1つだけ選び、レース中は変えられない。だからこの数字は、選手がそのレースをどう戦うつもりかを表す申告のようなものになっています。
ギア倍数は競走得点や脚質ほど重要ではありませんが、同じくらいの実力の選手が並んだときの判断材料になります。
ギア倍数は「1回転で進む距離」の指標
ギア倍数は、ペダル側の大きい歯車(大ギア)の歯数を、後輪側の小さい歯車(小ギア)の歯数で割った値です。
| 大ギア | 小ギア | ギア倍数 |
|---|---|---|
| 49 | 14 | 3.50 |
| 53 | 14 | 3.79 |
| 55 | 14 | 3.93 |
数字が大きいほど、ペダル1回転で進む距離が長くなります。
| ギア | 特徴 | 向いている走り |
|---|---|---|
| 大きい(重い) | 一踏みで進む距離が長い。トップスピードが高い | かかりきったあとの伸び。捲り向き |
| 小さい(軽い) | 回しやすく加速が速い。脚が売れにくい | 立ち上がりの速さ。先行向き |
自転車のギアと同じ理屈です。重いギアは踏み出しに力が要るかわりに、乗ってからが速い。軽いギアはすぐ加速できるかわりに、上限のスピードが伸びにくい。
ギア倍数には上限がある
現在、競輪ではギア倍数に上限が定められています(2026年8月時点)。
| 区分 | 上限 | 実際に使える最大 |
|---|---|---|
| 男子 | 4.00未満 | 55×14=3.93 |
| ガールズケイリン | 3.80未満 | 53×14=3.79 |
この規制は2015年以降に適用されているもので、それ以前は4.00を超えるギアも使われていました。
なぜ規制されたのか
大きなギアを使うと、踏み出しは重いがトップスピードが出るという性質が強く出ます。その結果、一度前に出た選手を後ろから抜くのが難しくなり、レースの形が単調になりました。
さらに、重いギアは体への負担が大きく、選手の故障のリスクも上がります。
レースの多様性と選手の安全——この2つが規制の理由です。規制後は加速力の価値が戻り、先行・捲り・差しがそれぞれ決まる形に落ち着いています。決まり手の種類は競輪の決まり手とは|逃げ・捲り・差し・マークの違いにまとめています。
「3.92」という数字をよく見かけるのは、規制の上限ぎりぎりを選ぶ選手が多いためです。上限が4.00未満なので、3.92や3.93が事実上の最大値になります。
出走表でどう使うか
ギア倍数だけで買い目が決まることはありません。他の情報と組み合わせて初めて意味を持ちます。
見方の目安は次のとおりです。
| 状況 | 読み取れること |
|---|---|
| 先行型がいつもより軽いギア | 加速重視。早めに出て粘る構え |
| 追込型が重いギア | 直線の伸び重視。差し切りを狙う |
| 直線の短い333mバンクで軽いギア | 立ち上がりの速さを活かす選択 |
| 直線の長い500mバンクで重いギア | 長い直線での伸びを狙う選択 |
バンクの違いは競輪のバンクは3種類|333m・400m・500mの違いで解説しています。
ポイントは「その選手のいつもの数字」との差です。同じ3.92でも、普段3.85の選手が3.92にしてきたなら意図があります。絶対値ではなく変化を見る、というのが実用的な使い方になります。
ギア倍数は選手が当日に選ぶもので、体調やレース展開の想定によって変わります。また出走表に表示されない投票サイトもあります。予想の主軸ではなく、判断に迷ったときの補助材料として使ってください。
優先順位としては低い
正直に言えば、初心者がギア倍数から入る必要はありません。
出走表から読み取る情報の優先順位は次のようになります。
1〜4がまだ曖昧なうちにギアを見ても、判断が増えるだけで精度は上がりません。出走表全体の見方は競輪の出走表の見方|初心者が見るべき項目はここだけを参照してください。
まとめ
- ギア倍数は大ギア÷小ギア。1回転で進む距離の指標
- 競輪の自転車に変速機はなく、レース中はギアを変えられない
- 数字が大きいほどトップスピード寄り、小さいほど加速寄り
- 上限は男子4.00未満・ガールズケイリン3.80未満(2026年8月時点)
- 実質の最大値が3.92〜3.93なので、この数字をよく見かける
- 規制の理由はレースの多様性と選手の安全
- 見るべきは絶対値よりその選手のいつもとの差
- 予想における優先順位は高くない。得点・ライン・脚質が先
数字の意味が分かっていれば、実況で「今日は軽めのギア」と言われたときに何を意味するかが分かります。まずはそこからで十分です。
補足:無理のない範囲で
競輪は公営競技であり、車券の購入は20歳以上に限られます。
各投票サイトには購入限度額を設定できる機能が用意されています。のめり込みが不安な方は、あらかじめ上限を決めておくことをおすすめします。